泰国 ピヨッ ピヨッ

うわんです。


最近、聞かなくなった「バックパッカー」
そのバックパッカー上がりの現地採用の人とお話する機会があった。
いわゆる、バンコク沈没組の人である。

私は、仕事をするために「派遣」と言う形でタイに来たが、会社に勤めている人は、駐在だったり中長期の出張だったりする。
その人達とは異なり、バックパッカーの人達は、「遊び」目的で、タイや他の国を流浪している。
私とは、全く違った「人生」を歩んでいるのである。

その人は、バンコク沈没組だから、私が考えている以上に、バンコクが好きなようである。
私もバンコク生活は「好き」である。
が、「好き」の深さが違うように感じる。

私の年齢が高くなったせいか、最近「バックパッカー」の人達と巡り会う機会はかなり少なくなっている。

そこで、盛り上がったのは、「トイレ」の話である。
タイでのバックパッカーの聖地と言えば「カオサン」であろう。
そのカオサンの安宿に、何ヶ月も過ごしていたのだそうだ。
流浪のバックパッカーが集う、各国の安宿のトイレ事情は、日本で想像する状況の数倍もヒドイそうである。
カオサンの安宿もヒドイそうだが、それでも、もっとヒドイところがあるので、ランク的には上位なのだそうだ。

各国の流浪のバックパッカーが集まるので、汚れ方は目も当てられないとの事。
投下したブツを流さないのは日常茶飯で、足を踏み入れる事も躊躇したくなるらしい。
私のタイでの経験は、何軒かの作業者のアパート、屋台レベルの食堂のトイレ、それとガソリンスタンドのトイレくらいである。
水浸しになっているのが普通ではあるが、投下したブツが、散乱している程ヒドクは無い。

彼の「研究」によれば、その国の国際空港のトイレのレベルがその国に最高レベルであり、「民度」を計るバロメータなのだそうだ。


様式トイレの便座、可動式のプラスチックの部分が無くなっているトイレは当たり前で、中腰で「仕事」をしなくてはならないとの事。
タイのように水浸しでもOKならば、「仕事」を行うまえに、「洗礼」の儀式を執り行うことで、解決できるのだそうだ。

爆弾を投下した後、流さない「人種」も結構いるのうである。
レバーを押して流すだけなのだが、見ず知らずの他人の処理をしなくてはならない場合の「屈辱感」がイヤなのだそうだ。
何となく、理解出来る心境ではある。
彼が恐れるのは、「爆弾投下後のオツリ」だそうである。
正体不明の何人かも分からない、流浪のバックパッカー達が、汚し極めたトイレの「オツリ」は気味が悪いと言うのである。

同じように色々な国を旅している「バックパッカー」同士は、何となく気心が知れて、連帯感のような物が生まれるのかと思っていたが、トイレに関しては、そうでもないようである。
中腰で、爆弾を投下し、落下目標地点に到達する前に、「オツリ」の最高高度を予測して、爆撃機の位置をずらすのだそうだ。
かなり、高度なテクニックを駆使している。

日本人は、トイレの環境については、かなり神経質な人種ではないかと思っている。
小部屋そのものの清潔さ、床や壁、自分が発する「音量」に至るまで、気を使っているような気がする。

バックパッカー上がりの人は、東南アジアだけでなく、アフリカ、南米など、様々な所で、トイレを経験してきたらしい。

ここでは、書けないような「壮絶」なトイレもあるらしい。

彼の言によれば、「不味い物を食べ、汚いトイレで出す」のが、最悪なのだそうだ。

「オツリ」対策として、便器の水たまり部にテシューがトイレットペーパーを置いて、クッションにしては？
と提案したら、ヒザを叩いて「グッドアイデアだ」と賛同してくれた。


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以前、何かで呼んだ本に、男が他人に見せてはいけない顔と言うのがあった。
「金を数えている時の顔」
「セックスをしている時の顔」
そして「糞をしている時の顔」
だったと記憶している。

もっとも、他人に見られながら「糞」をする機会は滅多に無い。
中国の現地工場のトイレは、顔が見えた。
確かに、落ち着かなかった。