泰国 ピヨッ ピヨッ

うわんです。


我が家は5人家族である。
息子2人、娘1人、家内が1人、そして私である。
娘は、高校進学の時、日本に行きたいと言うので、家内の実家に厄介になり、短大を出て、しばらくの間、日本で暮らしていた。
今年の4月から、しばらくの間タイに戻って来ている。
息子2人は、こちらで就職先を見つけ、川向こうのアパートにいる。
土曜日の夜になると、戻って来て、日曜日をノンビリ過ごし、帰って行く。

だから、日曜日だけが家族5人が揃うのである。
土曜日の夜は、兄弟揃って、夜更かしをするので、日曜の朝はゆっくり寝ている。
私は、早寝早起きなので、彼らの時間帯とは、半日以上、ずれている。
同じ居住空間にいながら、日曜日の夕方の数時間しか、顔を合わさない時もある。

先日の日曜日、珍しく昼間、全員が顔をそろえた。
と言うより、スクムビット３９に新しく出来たカレー屋さんに行ってみたくて、「オヤジ」が強権を発動したのだ。
子供たちが大きくなると、オヤジが発動出来る「強権」はこの程度が精一杯なのである。

この店、前は「ヨーカドー」と言う日本の食材とかを70バーツ均一で売っていた店である。
タイでは、日本の「１００均」で有名なダイソーが、「60バーツ」均一である。
今、100円は40バーツくらいだから、60バーツは150円、70バーツなら175バーツ相当である。

それが、「金沢カレー」の店になった。

　「金沢カレー」の店

最近、日本は「Ｂ級グルメ」ブームとかで、「ご当地焼きそば」とか「ご当地カレー」とか、流行らせるために「伝統」とか「風習」とかを無視した「ご当地」と称する食べ物が流行っているとの事。
だから、15年も日本を離れていると、自分の出身地の名前を冠した「聞いた事も無い名物」が出て来るのである。

私の出身地である仙台の名物は「牛タン」と言う事になっている。
しかし、私が仙台を出る時は、「牛タン」の専門店など殆ど無かった。
駅構内だろうが、中央通りの商店街でも、そんな店はなかったのである。
でも、いつの間にか、「名物」になり、名物になった途端に「歴史」が付くのである。
いかにも、以前から「名物」だったように「脚色」されるのである。

いまの、ご当地焼きそばやご当地カレーも、名物として生き残ると、元祖とか本家等が林立し、「歴史」が追加されるのであろう。
で、バンコク初登場と銘打つ「金沢カレー」である。


店に入ると、店主の挨拶が壁に書かれている。それには「店主トッピー」とある。
バンコクの有名日本人である。
面識はないが、シーロムのウッドボールと言うバーの店主だそうだ。
フリーペーパーやブログにも度々登場する人である。
その有名日本人と同じかどうかは知らないが、「店主トッピー」と名乗る所から、同一人物ではないかと推測した。

一家5人なので、2階の席に案内された。
席から、階下の壁を見ると、「大食いチャレンジ」の垂れ幕がある。

大食いチャレンジ

大食いにチャレンジとは、以前の私だったら大喜びなのだが、垂れ幕に書かれていたのは、カレーをＫｇ単位で食べると言うチャレンジだった。
1時間以内にカレーを１０ｋｇ食べたら４００００バーツが貰えるとの事。
２８９９バーツで挑戦できるそうだ。
この店イチ押しのゴールドカツカレーのＭサイズが２００バーツなのだから、値段的には１４．５人前である。

私たち家族は極めて常識的な一般人なので、普通に注文。
テーブルには、ドカンと「福神漬」が入ったバケツが置かれている。

　福神漬入れ

タイのレストランでは最初に必ず聞かれる「飲み物はなんですか？」の恒例質問に「水」と答え、カレーが出て来るのを待つ。

で、しばらくすると、私の注文した「牛すじカレーのＭサイズ」が来る。
牛筋と、こんにゃく、ゴボウ等を煮込んだ酒の肴をトッピングしたカレーである。

牛すじカレー

家内が頼んだ「オムカレー　Ｓサイズ」が来る。
ご飯の上にカレーが薄くかかり、プレーンオムレツ風のフワフワ玉子が乗り、マヨネーズが縦横無尽に掛っている。

　オムカレー

メニューによれば、ＳＳ，Ｓ，Ｍ，Ｌの4種類のサイズに別れているらしい。

　メニュー

カツカレーなどは、さらにＬＬサイズがあるようである。

ＳとＭでは、容器のサイズが違うようである。

　SとMサイズ

女性や子供でも安心して注文できそうである。
最近のＴＶでは、女性の大食いタレントもいるようであるから、女性が少食とは限らない。
タレントとは、「才能」と言う意味だそうだ。
「才能」で辞書を引くとＡｂｉlityが出て来る、こちらは能力と言う意味で使われる事が多い。
私も若くて元気な頃は、ラーメンや餃子などの大食いをやったものである。
が、その頃は「無芸大食」と言って笑われたものである。
最近は、大食が芸になるのだから、良く分からない時代になったと思う。

で、店イチ押しのカツカレー。

　カツカレー

カレーうどんのセット。

　カレーうどん

写真を撮る前に食べ始めてしまった、金沢カレー。

タイでありがちな「サブメニュー」は殆ど無い。
トッピングに使われている物が、別皿で出て来る程度である。

最近、ＴＶなどで面白半分で取り上げられるような「辛さ」で遊ぶような不謹慎なカレーでは無い。
ちゃんとしたカレーである。

牛すじカレーとオムカレーには、スプーンが付いて来た。
カレーうどんは、箸である。
金沢カレーとカツカレーはフォークであった。
何か店の「ポリシー」があるのだろうか？

スプーンを頼んだら、店のオネーチャンが小皿に入れたスプーンを放り投げるようにテーブルに置いて行った。

　特別オーダーのスプーン。

金沢カレーはフォークで食べるのが、「ルール」だったのだろうか？
「ご当地」流を知らないのだから、怒らずに静かに持って来て欲しかった。



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数年前、ラーメンの出店が嵐のように起きた事があった。
その前が、カレーだった。
今は、工事中で跡かたも無いが、プロンポン駅の下にもカレー屋があった。

覚えている人がいるだろうか？
このカレー屋も「グローバルなご当地」カレーであった。
何しろ「欧風　Japanese　カレー」と言う名前だった。